ここ数年続いた「お笑いブーム」もすっかり定着。テレビではお笑い芸人の活躍を見ない日はない、という状況だ。このブームに乗り、在学中だったオリエンタルラジオや、まだ無名だった次長課長がいきなりブレイクを果たしたのは記憶に新しい。ということは、今はまだ知名度が低い若手の中に、何かがキッカケで今年爆発する芸人がいるかもしれない……。そこで、ここ数年のコンテストの結果、テレビ番組への露出、検索軒数の増減、ファンサイトの量などを加味して、これからが旬の押さえるべき芸人を探った。編集部が厳選した、要注目の若手芸人30組、知っていて損はないはず!
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◆ブレイクするのは誰だ?
ここ3〜4年ほど、お笑いブームが巻き起こっている。関西でも関東でもお笑いライブが増えたし、M―1グランプリ・R―1ぐらんぷりと象徴的なコンテストもできた。また、テレビでは次から次へと、新しい芸人達が台頭してきている。テレビ番組でお笑い芸人を見ない日はないと言っても過言ではない。振り返ると、昨年から今年にかけて飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しているレイザーラモンHGや次長課長、オリエンタルラジオは、テレビでの露出効果によって急速に注目されたという印象が強い。まさしく現代の芸人のブレイクの仕方と言えるだろう。流行語を生むなど、様々な社会現象になり、幅広い世代をくぎ付けにしているお笑い芸人たち。彼らがネタの本やCDを出せば必ずヒット。まさに、アイドル的な扱いを受けているのだ。
そのせいか、最近お笑い芸人の養成所に多くの志願者が殺到しているという。ブームのおかげで、無名の若手芸人でも表舞台に立てる機会が以前より多くなっているのは確か。本来、お笑い界はそんなに甘い世界ではないのだが、それを押してでも「芸人になりたい」という若者は後を絶たない。いつのまにか「お笑い芸人」は憧れの対象となったようだ。
80年代前半、同じようにお笑い界には「漫才ブーム」があった。いとし・こいし、やす・きよ、など以前から実績のあるコンビの他、ツービートやセント・ルイスら演芸場で活動していた多くの漫才師たちが、一躍全国的な人気を得たのだ。
当時と比べると、現在のブームにはかなりの違いが目に付く。
まず一つ目は、今回は漫才にとどまらず、3人以上のコントや一人でする「ピン芸」など、芸の形式や幅が広がっていること。特に、一人話芸のピン芸は多種多彩だ。クールに「間違いない」と世間を切る長井秀和、自虐的な自己観察の間に「ヒロシです」と名乗るヒロシ、ウシとカエルの人形でコントをするパペットマペット。女性では、身近な人物になりきる青木さやかや友近らがいる。
そして、次は芸人の露出方法。経済界の商品やサービス同様、お笑いの世界でも芸の「選択と集中」が行われている。実際、テレビのプロデューサーらはライブ会場を血眼になって回り、これぞと発掘した芸人には専属スタッフを付けて育成するのだ。特に有名なのは『エンタの神様』(日本テレビ系)。出演まで3カ月〜半年は打ち合わせをし、ネタを練るのだという。そうして登場した芸はシンプルで分かりやすい半面、それぞれの持ちネタは限られているため、飽きられるのも早くなっていく。ネタ見せ番組は3カ月もすると出演者の大半が入れ替わるのは、これが原因だ。
また、お笑い界へのルートも一変。かつては師匠に入門して身の回りの世話など修行をしながら芸を吸収していったものだが、今は代わって、若手を輩出しているのは芸能学校である。特に吉本興業が大阪と東京で運営する1年制の総合芸能学院(NSC)では、1期生からダウンタウンやハイヒールが出ている。もっとも入学者は毎年約1200人。修了後は、大阪なら「baseよしもと」、「うめだ花月」、「なんばグランド花月」、東京なら「ルミネtheよしもと」と、オーディションをくぐり抜けてより大きな舞台を目指していく。えり抜かれて生き残れるのは年に数組。志望は容易でも、人気者になるのはやはり大変なのだ。
◆ブームは8年周期でやってくる!?
これまでにも大きなお笑いブームが何度かあったが、俗にこのブームは8年周期でやってくると言われている。例えば、デビュー年で見てみると、1982年ダウンタウン、1990年ナインティナイン、1998年インパルス、ロバート、とピッタリ8年周期なのだ。そこで、記憶に新しいお笑いブームを振り返ってみるとしよう。
1980年代
「やすしきよし」、「ツービート」、「ザ・ぼんち」、「B&B」、「紳助竜助」など。
フジテレビ系で放送された『花王名人劇場』、『THE MANZAI』といった漫才ネタを放映する番組が大人気に。また、吉本興業の東京進出が本格化したこともあり、上方芸能、ひいては関西弁のスピード感あふれる掛け合いが全国的に広がった。
1990年代
「爆笑問題」、「ネプチューン」、「海砂利水魚(現くりぃむしちゅ〜)」、「パイレーツ」、「つぶやきシロー」など。
フジテレビ系で放送された『ボキャブラ天国』が若者を中心に大流行。「ボキャブる」という行為(格言・物や人の名前などをモジる)が大流行。数ある「キャブラー」の中から自分のお気に入りの芸人を見出すことがお笑い好きの間では一つのステータスになっていたほど。
2000年代
「アンタッチャブル」、「アンガールズ」、「波田陽区」、「南海キャンディーズ」など若手芸人を中心にたくさん。
90年後半から始まったNHK『爆笑オンエアバトル』や、2001年から開催の『M−1グランプリ』、朝日放送系『笑いの金メダル』など、ネタ番組が加速度的に増え、若手芸人の露出機会が急増。これによって、これまでのように下積み経験の長い芸人だけでなく、駆け出しの若手にもテレビ出演のチャンスが巡ってきた。それに伴い、様々なジャンルやスタイルで笑いを表現する芸人も増えたといえる。
◇ ◇ ◇
情報化社会の昨今。これだけあらゆる情報が手に入ると、ちょっとやそっとのことでは満足しない。お笑いも同じこと。人と違うことをしなければ、覚えてもらえない。そうすると、売れたい人間は工夫をし、特徴を際立たせようと考えるだろう。とりわけ、お笑い志望の若者が増加し続けている現在。よっぽどがんばって知恵を絞らなければ勝ち残れない。したがって、今のお笑いブームのネタ番組に代表される「バリエーションの豊富さ」は、必然かもしれない。
例えば、これまでお笑いコンビといったら「ボケ」&「ツッコミ」が当たり前だった。しかし、最近ではその枠だけにとどまらない。「おぎやはぎ」に代表されるような「ツッコミボケ」なるポジションも出来上がり始めたのだ。また、「笑い飯」のWボケ&Wツッコミというのも従来になかったスタイル。あるいは「POISON GIRL BAND」のようにゆる〜く漫才を進める、つかみどころがない笑いのパターンもある。
お笑い芸人人口が増えただけに、そこに埋もれない努力をする必要も増えた。それに気付き、邁進(まいしん)してきた芸人たちが、晴れてテレビで活躍し人気者になる。そんな図式が出来上がりつつあるようだ。
ここに紹介するのは、これからのお笑い界を背負って立つことになるであろう期待の若手芸人たち。お笑いの世界がブームから成熟期に入ったと言われる今、これまでにないスタイルを作り出し、明日の笑いを創造するのは、いったい誰になるのだろうか。
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