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百戦錬磨の“天才”須藤信充と“格闘バガボンド”寒川直喜がついに拳を交えた。真っ向から打ち合う両者の闘いは戦前の期待を上回るほど白熱したが、意外な形で結末を迎えることに…。
◆“負けて強し”の内容 年齢を感じさせない破壊力
昨年の秋にNPO法人化したバンゲリングベイによる「BUNGELING BAY 縁〜enishi〜」が1月13日、新宿FACEで行なわれた。
メーンイベントは須藤信充(team SUDO)ユ寒川直喜(バンゲリングベイ)。先々週号の本紙でお伝えしたカードだが、戦前の期待以上の激しい試合となった。
1ラウンド、リーチで勝る寒川が鋭い左ジャブをヒットさせる。これに対し、須藤は右ローキックで応戦。見るからに重たそうな打撃に観客がどよめく。さらに中に入ろうとする須藤に寒川は首相撲からのヒザで迎撃。この攻撃で左目下を切られ、ドクターチェックを受けた須藤だったが、さほどダメージはなく、重いローキックと左右のフックで反撃していく。3ラウンドにはボディブロー、ハイキックも織り交ぜ、エンジン全開! 須藤の嵐のような攻撃に、寒川はガードを固めるのみだった。そして4ラウンド、須藤のラッシュがいったん、やんだ時に寒川がジャブ、ヒザで反撃。ここでまたもや須藤の出血が激しくなり、ドクターのチェックが入る。須藤は左目下に続き、右目上もカット。長引くチェック、須藤の「まだやれるって!」という声。もしや…と思った瞬間、レフェリーは手を交錯していた。
4ラウンド1分25秒、須藤の出血により寒川のTKO勝ち。ちょうど須藤のエンジンが掛った時に試合がストップしてしまったため、この一戦は消化不良に終わってしまった。
「まだこれからなのに…ねえ!?」
試合終了のゴングが鳴った直後、須藤は寒川にそう言った。おそらく大半の観客もそう思っただろう。勝利した寒川でさえ、「ボクがK―1MAXで闘ったドラゴよりも強かったです!」と須藤の攻撃力を讃えてみせた。37歳という年齢を感じさせない破壊力…。敗れたものの、須藤は自身のビッグマウスぶりに恥じない実力を証明してみせた。この日、2人の闘いを目に焼きつけた人なら納得するはずだ。
◆〔須藤コメント〕
「あと1分ぐらいやらせてもらいたかったね〜! もう血も止まってるしさ。相手のジャブも想定内だったから。打ってきた時にパンチを返せば、引っ掛かると思ってたから。ジャブもおでこで受けてたし、ダメージはないよ。“よ〜し、今から!”って時にまさか止められるとは…。だってこの日のために練習してきたんだよ? これだけのお客さんが入ってくれたのに。でも、寒川クンの体は強かったね! ボディも効いてたはずなんだけど。リング上で“負けてました”って言ってたもん。そういうところが男らしいよね! 憎しみは全然ない。彼のことを認めるよ!! 今後? 総合でもやろうかな。冗談だよ(笑)。筋トレ中心で鍛え直すよ」
◆〔寒川コメント〕
「ヒザはこすれるような感じで当たった。ちゃんとヒットすればああいう切れ方はしないはずなんで、悪い当たり方だった。もっと気持ちいい試合したいですね。ああいう勝ち方はうれしくないです。最近、体調が悪かったんですけど、原因は潰瘍性大腸炎らしくて。でも、試合後に“今日は体調が良くなかった”って言うのも嫌じゃないですか(笑)。だから今後は入院して治したいと思います」
◆新田キックボクサー生活にピリオド
また、セミではバンゲリングベイ代表の新田明臣が登場。相手はカナダ出身で、05年ワールド士道館空手ミドル級優勝の実績を持つ強豪、ヤン・カシューバ(unit―k)。この一戦をもって“キックボクサーラストマッチ”として臨んだ新田は、いつものように「サンバ・デ・ジャネイロ」の曲で踊りながら入場。お笑いタレントのアントニオ小猪木や、KICK☆もそこに加わる。さらには、何とブラザートムがリングアナを! 実に豪華な顔ぶれだ。
入場はド派手だったが、試合は至って緊張感のある展開に。パンチ主体で攻め立てるカシューバに対し、新田は左ミドルで応戦。2ラウンドにはカシューバのラッシュを食らってしまうが、なおも執拗(しつよう)に左ミドルを繰り出し、場内は“ニッタ”コール一色となる。最終3ラウンド残り数秒には、両者一歩も退かずパンチ合戦! 大歓声に包まれながら新田は最後のゴングを聞いた。判定は2―1の僅差(きんさ)でカシューバの勝利。ラストマッチを飾れなかった新田だが、マイクで「今やれることをやったので後悔はないです」と話し、すがすがしい表情でリングを後にした。10カウントゴングのない異例のラストマッチ。これも、「キックボクサーとしては最後の試合だけど、“引退”という後ろめたい言葉は使いたくない」という新田の姿勢の表れだろう。 |
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