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19日(土)、東京ドームで「K―1 WORLD GP 2005 in TOKYO 決勝戦」が行なわれる。10月に大阪ドームで行なわれた開幕戦を勝ち残った7名と「ディフェンディングチャンピオン」レミー・ボンヤスキーの8選手が立ち技最強を懸けてワンデートーナメントで激突する。今年Kのリングを制圧するのは果たして誰だ。
マンネリのささやかれるK―1に「超世代闘争」を挑む男、それがルスラン・カラエフだ。
今年8月、北オセチア共和国から現れた超新星は、怒とうのラッシュと予測不能のバックスピンキックを武器とし、瞬く間にラスベガス大会を制覇。上位陣の実力が安定し、なかなか新旧交代の進まないK―1に風穴を開ける存在として、一躍クローズアップされた。
だが、9月のワールドGP開幕戦に用意された相手は、K―1が誇る「フォータイムス・チャンピオン」アーネスト・ホースト。アマ167戦のキャリアを持つルスランもさすがに厳しい闘いが予想されたが、ホーストはひざの負傷と皮膚炎の悪化を理由に開幕戦を欠場。ルスランはほとんど情報がないまま、代役のリカルド・ノードストランドを迎え撃つこととなった。
対戦相手の急な変更、情報の決定的な不足が影響したか、KOこそ逃したが、ノードストランドを3―0の判定で下し堂々決勝大会へコマを進めた。
決勝大会では、2年連続GPファイナリストである武蔵と初戦で激突する。誰よりも優勝へのモチベーションが高く、K―1屈指のディフェンス力を誇る武蔵と速射砲のように攻撃を繰り出すルスランの激突は、トーナメント1回戦屈指の好カードだ。
パワーに勝る外国人との対戦用に編み出された「武蔵流」は`距離aがキーワードとなっている。被弾する可能性の高い接近戦はクリンチとプッシュで避け、長・中間距離を徹底し自分の得意な蹴り技で勝負する。
ルスランとしては代名詞である開始早々のラッシュで、武蔵のリズムを崩してしまいたい。一気に距離を詰め「武蔵流」をさせぬほど攻め上げれば、チャンスが生まれてくるだろう。そこにバックスピンキック、バックブローといったトリッキーな攻撃を織り交ぜれば、KO勝利も見られるかもしれない。
武蔵戦を快勝できれば、潰し合いでダメージ濃厚なアーツVSバンナ戦の勝者もクリアできる可能性が大きい。テレビゲームでK―1の存在を知ったというルスランが優勝を果たせば、K―1の「新世代革命」が成されたと言えるだろう。超新星、一気に頂点まで駆け上がるか――。
K―1の概念を揺るがしかねない、危険な一戦がトーナメント第1試合で用意された。
今年3月のK―1デビュー以来、6連勝で無敵の快進撃を続ける「大巨人」チェ・ホンマンを王者レミー・ボンヤスキーが迎え撃つ。
GP2連覇でトーナメントの闘いを熟知するレミーは、ローキックを武器に持たないことから初戦の相手にチェ・ホンマンを選択。連戦となるトーナメントで最も懸念されるローのダメージを負う心配のないホンマンは与し易い相手であると判断し、組み合わせ決定後も「チェ・ホンマンをテストする」と強気な姿勢を崩さない。
対するホンマンはボブ・サップのラッシュを逆に盛り返す勝負強さを見せ開幕戦をクリアしたが、大振りのフックを顔面に浴び、スタミナ切れで手が出なくなるなど多くの課題を露呈している。
ホンマンやサップといったキャラクター性に富んだ選手は、K―1の「エンターテインメント偏重」の象徴として時折り批判の対象となってきた。
逆に、現在GP2連覇中のレミーは「競技K―1」を代表する存在である。もし、王者レミーが十分な技術を有さないホンマンに敗れるようであるなら、スーパーヘビー級の増設などK―1もシステムの見直しを迫られるに違いない。
これまで、サップ、曙といった巨漢選手を下してきたレミーが、この規格外の大巨人をも手玉に取りK―1を守るのか。あるいは、韓流ブームに乗りやって来た巨大な黒船がK―1に新たな時代を開くのか。11月19日、東京ドームでひとつの審判が下される。
「本命はシュルト選手」
開幕戦終了後、そして抽選によりトーナメントの組み合わせが決定した後、優勝予想を問われた谷川貞治イベントプロデューサーは、二度とも本命にシュルトの名を挙げた。
開幕戦ではダークホースと目されていたグラウベ・フェイトーザをワンサイドで押し切っての判定勝ち。谷川予想も納得の圧倒的内容であった。
さらに、K―1ルールでいまだ無敗を誇るなど、シュルト有力を裏付ける根拠を探せば枚挙にいとまがない。無敗のレコードにはホーストとの引き分けや、現王者ボンヤスキーへの判定勝ちも含まれる。空手仕込みの突き連打で相手を追い込み、ヒザ蹴りで仕留めるコンビネーションは非常に完成度が高い。
だが、相手が有利と言われれば言われるほど、逆に闘志を燃やしてくるのがレイ・セフォーという男だ。
シュルトの212aに対し、セフォーは180aと実に32aもの身長差となるが、そこはファンを喜ばせることを信条とするセフォー、決して臆することはないだろう。チェ・ホンマンと並ぶ巨大タワーの一角をなぎ倒せば、壮観な眺めとなることは充分に分かっている。
長身のシュルトはセフォーに対しパンチを打ち下ろす形となるため、顔面のガードがおろそかとなる。ヒザ蹴りを打とうと首を捕まえに来る時も同様だ。その瞬間をセフォーのブーメランフックが打ち抜けばどうなるか。
ヒザが先かフックが先か。準々決勝第2試合は、判定を待たないKO決着必至の一戦となりそうだ。
「20世紀最後の暴君」ピーター・アーツと「ハイパーバトルサイボーグ」ジェロム・レ・バンナ。創成期からK―1を支えてきた2人が再び雌雄を決する。
近年は腰痛や負傷に悩み本調子でなかったアーツだが、開幕戦では優勝候補のマイティ・モーを2ラウンドKOで撃破。試合途中に負ったスネの負傷をものともせず、鬼気迫る表情で蹴りを放つ姿は全盛時をほうふつとさせ、ファンが選ぶウェブ投票でも開幕戦のMVPに輝いた。
一方、対するバンナも絶好調。開幕戦ではハワイ大会を全試合ノックアウトで勝ち抜いてきたゲーリー・グッドリッジを寄せ付けず、わずか133秒で返り討ち。強くて怖い「K―1の番長」が蘇りつつある。
新旧世代対決が叫ばれる中、一時代を築いた両者が初戦から激突となったのは残念だが、ともに攻撃力に優れる2人だけに、「これぞK―1」という闘いを見せてくれるに違いない。
組み合わせ抽選会に出席したホーストは、バンナ優勝を予想。長く期待されながら、これまでタイトルに恵まれなかった「無冠の帝王」が、ついに栄冠を迎えるのか注目される。
アーツは開幕戦で負ったケガの具合が気掛かりだ。相手を攻め込みながら足の古傷が開いてしまいドクターストップ、という展開がよく見られるため、ダメージを蓄積しやすいトーナメントを勝ち抜くのは難しいかもしれない。
果たして居並ぶ新世代ファイターを蹴散らし、パイオニア戦士が世代交代を先送りにするのか。もし勝者が短期決戦でダメージなく勝ち上がるなら、トーナメントで脅威の存在となるのは間違いないだろう。どちらが勝ってもトーナメントの行方を左右する一番だ。 |
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